「吉村氏、井戸氏ともに、病床を増やすという責任を果たしていないという点は共通している。だが、吉村氏はその責任を果たしていないのに、国民に私権制限まで押し付けようと踏み込んでいる。吉村氏は私権制限という暇あったら、知事の権限行使して、病床確保して先に責任果たすべきや。私権制限で国民に責任を押し付けているように感じます。司法試験に合格した同じ弁護士という立場で、吉村氏の発言は恥ずかしい思いやね」 

 そしてコロナ禍での大阪都構想・住民投票についてもこう疑問を呈した。

「吉村知事と松井大阪市長はコロナ禍の真っただ中、第3波の入口あたりになる昨年11月には大阪都構想の住民投票をやっています。2回目の緊急事態宣言を早く解除と国に言って、解除させた。そういう行動が今の大阪の状況を作り出していると感じます」

 吉村氏、井戸氏への批判が報じられると、明石市役所には批判が殺到した。

「明石の田舎の市長が吉村知事に何を言うねん、お前こそコロナ対策、やっているのか、などの声ですね。けど、明石市は民間病院と交渉してベッド確保をやっています。権限ないですけど、やることやってます」

 泉氏が吉村氏を激しく批判するのには伏線があった。2011年3月、東日本大震災で爆発し、今も原子炉を水で冷却し続ける福島第一原発。トリチウムなど放射性物質を含む処理水について菅義偉総理は海洋放出する方針を打ち出した。それを受けてか吉村氏は4月13日などの会見でこう発言した。

「政府から要請があれば、大阪湾の放出を検討する」

 原発の処理水放出を大阪湾で請け負うというのだ。泉氏の実家は、明石市の漁師だ。神戸市で井戸氏が会長を務める「全国豊かな海づくり大会兵庫県実行委員会」が4月20日に行われた。その席上で泉氏は「隣から処理水を大阪湾に流すと言っている。大阪湾はつながっている。知事はそれをわかっているのか」と井戸氏に険しい表情で詰め寄った。

 泉氏はさらにこう説明する。

「私のオヤジ、おじいちゃん、漁師でした。私は明石の海に生まれて育ってきた。大阪湾は、PCBやダイオキシンなどで汚されてきた歴史がある。そこに、原発処理水を流すと吉村氏はいう。海はつながっている。大阪のすぐ横ですよ、明石は。大阪湾は大阪のもんだけちゃいますねん。こちらに何ら相談なく、あんな発言はない。吉村氏は菅総理、官邸にこび売ってるだけや。国民の方を向いて政治をやってないわ。井戸氏も吉村氏に言うべきことは言ってもらわないと困る」

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