吉村大阪府知事と菅総理(C)朝日新聞社
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泉房穂・明石市長(C)朝日新聞社
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 大阪府は新型コロナウイルスの新規感染者が1260人に上ると4月28日に発表した。1日の感染者数としては過去最多。28日時点の重症者は379人となった。重症者向けの確保病床とすぐに使える「実運用病床」はいずれも337床となり、 重症患者の数が床数を上回る危険な状態が続く。兵庫県も新たに600人の感染が確認された。過去2番目に多い数字だ。

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「吉村大阪府知事や井戸兵庫県知事に、無能、有害など言い過ぎた。撤回します。しかし、市長という立場でそう言いたくなる気持ちもわかってほしい。吉村知事、井戸知事は全然、やるべきことやってへん」

 こう話すのは、兵庫県明石市の泉房穂(いずみ ふさほ)市長だ。大阪府の吉村洋文知事、兵庫県の井戸敏三知事のコロナ対応に食ってかかったことで発言が大炎上。その真意について、泉氏がAERAdot.編集部の取材に応じた。

 泉氏の発言は、地元の兵庫県、大阪府のコロナ対策に向けられたものだった。2回目の緊急事態宣言を当初の予定より早く撤回するように2月、国に要請した大阪府や兵庫県。その結果、今、第新型コロナウイルス感染拡大の第4波で東京など首都圏より危機的な状況に陥っている原因の一つと泉氏は見ている。

 しかし、吉村氏は未だに「大阪が緊急事態宣言を解除した2月末時点の陽性者の数は1日50人程度。専門家の意見も聞いて解除した判断自体が間違っていたとは思っていない」と判断を正当化している。

 3回目の緊急事態宣言下にある大阪府と兵庫県だが、感染者は最多を更新し、後手にまわる対応が続いている。

「吉村知事への話ばかりがネットでとりあげられているそうですが、井戸知事も含めて言いたいのは3つです。国の政治家や知事が果たすべき責任は何か。国の責任はワクチン接種。それがあまりに遅いこと。都道府県の知事は病床確保が一番です。新型コロナウイルス感染拡大から1年も経ってなぜ病床が確保できず、今、大変な状況に陥っているのか。市町村は生活支援を必死にやっている。国や知事この1年間、何をやっているのか?この3つを私は言いたかったのです」

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格上の吉村知事に噛みつく理由