カンニング竹山さん(撮影/今村拓馬)
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写真はイメージ(GettyImages)
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 新型コロナウイルスワクチンの接種に関して、高齢者接種が始まったかと思えば色々とごたごたが噴出している。17日に始まった大規模集団接種の予約システムでは、対象の高齢者以外誰でも予約できてしまうことがAERAdotの独自取材で露呈した。お笑い芸人のカンニング竹山さんは「相馬市モデル」を例に出し、リーダーシップの重要性とその難しさを指摘する。

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 そもそもワクチン接種って、どう考えたって難しいですよね? 日本国内の全員に順番でやっていくのって、そんなに簡単なことではない。昨日テレビ番組で偶然見たんですけど、福島県相馬市のワクチン接種のことを報じていて、相馬市では役所が接種する人を指定するというやり方をとっている。地区ごとに抽選をして「この地区は〇日から」という感じで進めて集団接種を行っているそうです。それでスムーズにいっている。

 たしかに、そのやり方が素晴らしいなというか、相馬市らしいなと思った。東日本大震災直後、相馬市にも訪れたことがあって、僕が“おやっさん”って呼んでいる立谷市長が震災直後、批判も恐れずに、役所主導で、仮設住宅の入居の配分をしていったんですよね。

「あなたは、ここに入りなさい」と決めたり、みんなで交代交代で週に1回見回りをするような仕組みを整えたり、共同の洗濯場というかランドリーを決めたり、ご飯も一緒に食べる工夫をしたり、色々な独自の施策をやっていた。

 そのあと、仮設住宅から復興住宅になったんですけど、高齢の方ばかりが暮らしていて、一度そこを訪れたこともあるんです。そこに暮らすおばあちゃんたちがみんなでメシ食いながら楽しそうにお話していて、震災で家族を失い1人になってしまった人も多いんだけど、そこでも洗濯は決められたランドリーみたいな場所があって、暮らしている部屋はもちろん別々なんだけど、「それでやる」って決めたんですよ。

 それをやったことでどうなったかというとコミュニティが生まれたんです。相馬って震災後、自殺とか二次被害で亡くなった人がほとんどいないんですよね。立谷市長に「どうしてですか?」って質問したら、こういう時に一番大事なのはコミュニティだとおっしゃっていた。

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市長のリーダーシップで仕事が進んでいく