6月14日に告示される東京都議選。候補より燃えている国会議員があちこちにいる。まずは日本維新の会の小沢鋭仁元環境相(59)。同7日朝、杉並区から出馬する次男・諭由(ゆう)氏(25)の街頭演説に駆けつけた。「20代の都議会議員は一人もいません。20代の代表を都議会に送りましょう」。

 被選挙権は25歳から。任期は4年なので、一人もいなくても、おかしくない気がするが……。諭由氏の経歴を振り返ると、大学卒業後すぐに鋭仁氏の秘書に。〈新卒はおろか、20代の同世代もいないという厳しい環境に身を置〉(候補のホームページ)いたという〈若手ホープ〉なのだ。

「親バカ全開」(鋭仁氏周辺)で熱心に選挙の手伝いをしているという鋭仁氏を直撃した。「いろいろアドバイスしていますよ。ビラには文字をたくさん入れず、ビジュアルでわかりやすくとか。あとは、ビラを(各戸に)入れたりね」。

 だが情勢は厳しいらしい。「自民、民主なども2人ずつ立てていて、苦戦中です。鋭仁さんも『東京の選挙はよくわからない』とこぼしていましたよ」(前出の鋭仁氏周辺)

 みんなの党も負けてはいない。5日夕方、江東区のあるホテルで、地元選出の衆院議員「柿沢未途君の結婚と当選を祝う会」が開かれた。結婚も当選も昨年末のこと。なぜこの時期に?

 新婦は、野上幸絵氏(43)。みんなの党練馬区議によると、「もともと練馬区の民主都議だったが、知らない間にうちへ合流し、挨拶もなく5月に江東区へと“嫁入り”してしまった」という。知名度は低く、頼みの綱は、夫の父親である柿沢弘治元外相時代からの「柿沢票」。参加費8千円、千人超が集まった披露宴で、渡辺喜美代表(61)がこう訴えた。「幸絵さんも共に政治活動ができるよう、ご支援よろしくお願いします」。

 しかし、この「戦略的」な披露宴が裏目に出た。披露宴当日の昼間、新婦が都議会の委員会を欠席したことが発覚したのだ。本人に確認すると、「体調不良で病院で治療を受けていました。委員会には口頭で伝えてありましたし、手続き上は問題ありません。診断書もあります。治療を受けで体調がよくなったので披露宴に出ました」と硬い表情で説明。だが、他党の議員は「披露宴という名の選挙運動のために委員会を休んだことになる」と憤る。

 中野区からは、渡辺代表の甥の渡辺美智隆氏(27)が出馬する。さぞかし代表がフル回転しているかと思いきや、控えめだった。「一度応援に入ったけど、双方気を使っている。えこひいき、七光りと言われたくないようです」(みんなの党関係者)。候補者選考のときにも、人から聞かれるまで甥だと明かさなかったという。

「美智隆は喜美と似ておらず、若くてスマートでルックスがいい。外見がかえってマイナス(笑い)。渡辺美智雄の孫だけど、ミッチーブランドは中野じゃ通じないし選挙は厳しいね」(みんなの党国会議員)。

 ほかにも、民主党からは台東区で中山義活元首相補佐官の長男・寛進(ひろゆき)氏(41)が出馬する。“七光り”候補たちの行く末やいかに。

週刊朝日 2013年6月21日号