小さいころは、「ママは僕の恋人」というラブラブ状態でいい。そして思春期にスパっと子離れするのが理想だ(撮影/写真部・馬場岳人)
小さいころは、「ママは僕の恋人」というラブラブ状態でいい。そして思春期にスパっと子離れするのが理想だ(撮影/写真部・馬場岳人)

 男女ともに未婚率が高まっている昨今。「うちの子は大丈夫かしら」と息子を心配する母親も少なくない。

「うちの子には、これまで彼女がいたことがありません。今でも私と2人で出かけるのを嫌がらないし、買い物に行ったときは荷物も持ってくれるやさしい子なのですが、私が世話を焼きすぎたのがいけなかったのか…。女の子と何を話していいかわからないみたいです」

 と悩んでいるのは、大学の工学部で情報科学を学んだ会社員の息子(26)を持つ母親。息子はPCやゲームが好きで、社交的ではない。今後、一生、結婚できないのではないかとやきもきしている。

 わが子を恋愛・結婚できる男にするために、親は何をすればいいのか。「男の子の育て方」に関する著書がある、教育専門家たちに聞いた。

「小学生のころに、『ミニもて体験』を持たせること」と言うのは、学習塾「花まる学習会」の高濱正伸代表。虫捕りや石ころ集めなどで活躍し、女子から「ステキ!」と感謝され、「ナイト扱い」を受けた経験のある子は、その後も異性に対して積極的になれるという。サマースクールなど、異年齢の女の子たちとかかわれる環境に、強制的に放り込むといい。

「そして、小5くらいから、母はさっと子離れすること。体や性のことを教えるのは、男である夫の役割です」(高濱さん)

 教育環境設定コンサルタントの松永暢史さんも「息子がかわいくて手放したくないだろうが、マザコンは絶対にモテない」と言う。母親はかいがいしく息子の世話をせず、小さいころから洗濯やゴミ捨てなどをやらせ、家事力をつけさせるべし。今の女子たちは、相手の男性に求める家事力の水準が高く、「分担だから家事を手伝う」ではなく、「自分から進んでやる」くらいでないとダメだからだ。

 そして、女の子の話をちゃんと聞く男に育てること。

「母親がおしゃべりな家庭で育った子はモテる傾向がありますよ。『ねえねえ、ちょっとお母さんの話も聞いてよ?』と母親がいつも言っていると、女性の話はちゃんと相手の顔を見て聞かなきゃいけないんだ、そして論破しちゃいけないんだ、と学べますから」(松永さん)

AERA 2013年6月17日号