今回の除去土壌だけでなく、東京電力福島第一原発の冷却のために使われた処理水の問題もそうですが、福島は今こうなっていますという福島の現状を知ってもらうためのイベントで、今後も全国で展開していくそうです。除去土壌に関して言えば、実際、飯館村で除去土壌を再生利用した土地でほうれん草や草花を育てて、今のところは放射性物質の基準値を上回る数字は出ていないんです。

 そのイベントが終わって、SNSに書き込まれた意見は、案の定と言うか、そもそも反対という意見の人たちからの声もありました。反対の人たちは、原発そのものにも反対している人も多い。でも、イベントでも話したんですが、反対、反対って、この話は“それやっていると、終わらない”って。原発に関することの議論を始めると、いつも感情論になってきて、賛成の人も反対の人も自分自身のイデオロギーだけぶつけ合うことになる。そうじゃなくて、対話をしましょうよ。

 反対、賛成ではなくて、反対の人はなぜ反対しているのか? 反対している人の意見にはどんなものがあるのか? そういうことも含めて知ってもらいたい。話し合うのも大切ですが、その前に必要なのは全国的に福島の今を知ってもらうことだと思うんですよね。

 実際、イベントは限られた時間だったため、質問を受け付ける時間が足りず、「何が対話だ!」というご意見もあったようです。たしかに、質問を受け付けてはいたけど時間が押してしまったり、反対派の意見をたくさん聞くことができなかったかもしれないけど、今回の1回で解決しようとしているイベントではない。こうしたイベントを環境省は日本全国でやっていくそうです。その意図をわかって欲しい。

 福島のことで、昨晩たまたまYouTubeで見つけて視聴したんですけど、福島中央テレビが福島中央テレビ局のアナウンサーを出演させて、細野豪志衆議院議員、浪江町で農家やっている人たちなどをリモートでつないで、今回のイベントと趣旨のような福島の今を知ってもらうという内容をやっていました。

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地元テレビ局の気合を感じる