山田美保子・放送作家、コラムニスト
山田美保子・放送作家、コラムニスト
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1908(明治41)年、三重県津市で創業したおぼろタオル。日本では珍しい自社工場敷地内にて一貫生産体制でタオルを製造している。吸水性や吸湿性に優れ、肌触りも良いため、「一度使うとまた使いたくなるタオル」としてリピーターも多数のタオル。肌と髪への負担が限りなく少なくなるように作られた、髪・顔・身体専用のタオルシリーズ(写真)も人気。おぼろタオル株式会社 「専身タオル(ボディケアタオル)」(33×90cm、綿100%、両面ガーゼ)1100円、「専髪タオル(ヘアケアタオル)」(33×100cm、綿100%)1650円、「専顔タオル(フェイスケアタオル)」(32×60cm、綿100%)1100円(すべて税込み)
1908(明治41)年、三重県津市で創業したおぼろタオル。日本では珍しい自社工場敷地内にて一貫生産体制でタオルを製造している。吸水性や吸湿性に優れ、肌触りも良いため、「一度使うとまた使いたくなるタオル」としてリピーターも多数のタオル。肌と髪への負担が限りなく少なくなるように作られた、髪・顔・身体専用のタオルシリーズ(写真)も人気。おぼろタオル株式会社 「専身タオル(ボディケアタオル)」(33×90cm、綿100%、両面ガーゼ)1100円、「専髪タオル(ヘアケアタオル)」(33×100cm、綿100%)1650円、「専顔タオル(フェイスケアタオル)」(32×60cm、綿100%)1100円(すべて税込み)

 放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は「おぼろタオル」(おぼろタオル株式会社)を取り上げる。

【写真】究極の拭き心地と即乾性にやみつきのタオル

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 朝6~8時、在名他局が在京局の番組をまんまネットする中、唯一の自局制作、『ドデスカ!』(メ~テレ)に出演し始めて10年。東海3県の情報にはかなり詳しくなったつもりである。津市の「おぼろタオル」も、そんな一軒だ。

「百年かけて極めた匠の技。驚きのボリュームとくせになるやわらかさ」がコピー。ボリューム感があるのに軽量で、想像を超える吸水性を誇り、究極の拭き心地と高い速乾性が特徴だ。

 愛媛の「今治タオル」、大阪の「泉州タオル」と共に“日本三大タオル”の一つにその名を刻む「おぼろタオル」。だが、あの佐藤可士和氏がロゴマークを担当する「今治」や、プレミアムブランドまで展開する「泉州」に比べると、やや商売っ気がないようにみえる。

「おぼろタオル」について『メ~テレドキュメント 長い助走~タオルに賭けた町工場の記録~』で取り上げたのは2007年。

「取材をしてみると、『おぼろタオル』そのものは、津市のおぼろタオル株式会社でしか生産されておらず、経営も立ち行かなくなっていることがわかった」とは番組制作に関わったスタッフだ。

 地元の企業や店舗は、局や番組を挙げて応援するのがローカル局の魅力であり真骨頂。『長い助走~』が「全映協グランプリ2008 テレビ番組部門最優秀賞(総務大臣特別賞)」を受賞したことも起爆剤となり、世の注目を集めた。地元の旅館で使われたり、コラボ商品のアイデアが出されたりと、おぼろタオル株式会社は再び息を吹き返し始めたという。

 それでも、愛用者のお一人、林真理子さんが、「売っているところがなく、しかも包装に何も書いてない」とブログで嘆いたのは2010年のこと。いかに商売っ気がなかったかの表れだろう。

 その6年後、「G7伊勢志摩サミット」の昼食会で“お手拭き”“お口拭き”に使われたことが外務省の公式ホームページに紹介されたことで知名度が劇的に上昇し、今に至る。

 ちなみに林さんは「肌をいためず、こすると怖いぐらい垢がポロポロ」「最高のタオル」と綴っていらっしゃる。美容に一家言もつ著名人には、いまや常識。『ドデスカ!』のコメンテーターで愛知県小牧市出身の“美容男子”、スピードワゴン井戸田潤さんも絶賛愛用中だ。「専顔タオル」のみならず、「専身~」「専髪~」もオススメだ。

山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める

週刊朝日  2021年6月4日号