《参議院選挙終了までしばしお別れです ごきげんよう》

 6月17日以降、ブログの更新を停止したのは、自民党新人の大久保三代衆院議員(36)だ。大分県出身でNHK北九州放送局のキャスターなどを務め、宮城5区の公募に合格。昨年の衆院選では民主党の安住淳元財務省(51)に敗れたものの比例復活した。この書き込みに胸をなでおろしているのが自民党幹事長室の面々だ。

 とにかく彼女のブログ、中身が過激なのだ。

 新人教育係でもある石破茂幹事長(56)のお小言に対しては、《胃が痛い。これはきっと、ストレス性イシバ症候群だわ》(6月4日)と、流行語になりそうな“病名”をつける。さらには、《今の日本では“三年間、抱っこし放題”の後の親のキャリアなんて誰も責任とってくれないんだからさ》(5月27日)。安倍晋三首相(58)の少子化対策「育休3年制度」についてもチクリ。

《(議員引退後は)安住先生のところに公設秘書で、雇ってもらうつもり。だって、生きていかなきゃいけませんから》(5月16日)

 もはや、議員引退後まで考えているようだ。

 当の大久保氏、取材に対して「練って練って書いてるんです。時間がかかるんですけどね」と悪びれる様子はない。さらに高尚な“使命感”までこう宣った。

《組織に黴(かび)を生やさないために必要なのは適度な風通しです。オオクボが勝手でた(ママ)のは自民党議員の風刺画担当であります。時々、風刺画のネタとなり「私って、こんな風に見られてる?」って、思う機会をもってほしい》(6月17日)

 困り果てた石破幹事長は、大久保氏を呼び出し注意することを検討。ところが「またそれをブログに書き込み、騒ぎがさらに大きくなる」と断念。大久保氏と同じ東北・青森選出の大島理森前副総裁(66)が本人に直接注意をし、ブログの更新が止まった。

 大島氏は周囲に「東北から恥ずかしいものを生み出さないよう言ってやった」と漏らしたという。それでもへこたれない大久保氏は6月17日、こう書き込んでいた。

《大島組長より「ツイッターは、いい加減にしとけよ」と、ギロリと睨まれたので、組長の命令は絶対だから(笑)》

 8年前、杉村大蔵氏ら小泉チルドレンが大量に誕生した際、執行部は彼らのテレビ発言だけに気を付けていればよかった。ところが今はブログ、ツイッター、フェイスブックと監視対象は増える一方だ。だが、取り締まりに力を入れすぎると、有権者との「風通し」が悪くなりますよ。

週刊朝日 2013年7月5日号