さすが、と思ったのは、小岩井乳業の社員はヨーグルトをデザートとしてだけでなく「おかず」として楽しんでいること。

 無糖ヨーグルトに味噌を混ぜて野菜ディップ、塩少々を混ぜてカレーにかけて食べる、など一歩先をゆくアレンジをしているのである。さらに「ぜひ試してほしい」と推されたのが、ヨーグルトの水気を切ってオリーブオイルとブラックペッパー、塩少々を入れる食べ方。

「肉や魚料理のソースにもなりますし、サラダにかければ、コクのあるドレッシングに」

■酸味控えめは前発酵

 最近はヨーグルトを味重視で選ぶ傾向が強くなった。いくら健康によくてもおいしくなければ続かない=売れないのだ。

「当社のヨーグルトは『前発酵』といって、パッケージに封入する前にタンクで長時間(半日以上)発酵させる方式です。なめらかで酸味が少ない味に仕上がります。酸っぱいヨーグルトを嫌うお子さんにもおすすめです」

 大手メーカーのヨーグルトは「後発酵」(容器に入れてから発酵させる)が大半。今回、大手メーカーのヨーグルトをすべて食べたが、小岩井乳業以外ではフジッコの「カスピ海ヨーグルト」も酸味控えめで、子どもにも好まれそうな味だった。(ジャーナリスト・木村慎一郎、編集部・中島晶子)

AERA 2021年6月14日号

著者プロフィールを見る
中島晶子

中島晶子

ニュース週刊誌「AERA」編集者。アエラ増刊「AERA Money」も担当。投資信託、株、外貨、住宅ローン、保険、税金などマネー関連記事を20年以上編集。NISA、iDeCoは制度開始当初から取材。月刊マネー誌編集部を経て現職

中島晶子の記事一覧はこちら