霊泉寺(岐阜県)の住職で、禅の言葉をわかりやすく解説するブログ「禅の視点‐life」で人気を集める僧侶、佐藤隆定さん(36)も、同様の指摘をする。
「仏教的に考えれば、薄毛を何かでカバーするのではなく、気にしないようになるのが一番の解決方法です。一度スキンヘッドにして街へ出てみればわかります。残念なくらい誰も気にしてくれません(笑)。今の世の中、たかがスキンヘッドくらいで注目なんて得られませんよ」
そこで「気にしていたのは自分だけだったのか」と悟るのだという。
仏教では髪は「権威と執着の象徴」。昔は髪の結い方やつける装飾によって、その人の地位を表していた。
「出世したい、金持ちになりたい。そういう欲があるから、かなえられないと苦しむことになる。仏門ではそうした執着を断ち切る修行として剃髪するんです」
佐藤さんが1年間修行した永平寺では、剃髪はふたり一組で、互いの頭をT字カミソリで剃る。
「メーカーはジレット一択。毛を巻き込みにくく、桶にはった水の中で軽く振るだけで、剃った毛が簡単に落ちるんです」
なぜ薄毛では困るのか。あらためて自問自答してみてはどうだろう。(浅野裕見子)
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※週刊朝日 2021年6月18日号