松本圭司さん(左)、佐藤隆定さん
松本圭司さん(左)、佐藤隆定さん
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(週刊朝日2021年6月18日号より)
(週刊朝日2021年6月18日号より)

 薄毛の悩みに向き合うのもいいが、「ありのままを受け入れる」という究極の対策もご紹介したい。

【一覧】どれを選べばいい?ガイドラインによる「薄毛治療の推奨度」はこちら

『ハゲを着こなす』(WAVE出版)の著書がある松本圭司さん(48)は4月、大阪市内で薄毛男性専門理容室「calvoサロン都島」を開いた。

 20代の終わりごろから薄毛に悩んでいたという松本さん。大学院で経営学を学んだことをきっかけに、「恥をビジネスにする」研究を開始した。卒業後に起業し、薄毛を生かしたスタイリングや理容室の紹介、ファッションアドバイスなどのコンサルティング業を行っている。

「宿命にあらがって周りの目を気にするより、自分としてどうありたいかが大切ではないかと。要は自己肯定感の問題です」

 とはいえ、容姿に自信をなくした人にいきなり自己を肯定しろと言っても無理がある。各人の問題に寄り添い、具体的なアドバイスを繰り返すことで前向きな気持ちを醸成するという。ファッションとしては、こんなテクニックがあると語る。

「カッコよく見える黄金比があるんです。顔の幅と長さ(アゴから髪のトップ部分)が1対1.5になるようにスタイリングする。あとは手っ取り早い小物として、メガネに凝ること。メガネが印象に占める割合は大きい。僕も20本持っていますが、手軽にイメージチェンジできるんです」

 剃ってしまえ、という結論に達する人もいる。

 都内の自営業の男性(57)は20代の終わりごろ、たまたま友人が撮った写真で自身の薄毛に気が付いた。様々な対策を試すも効果なし。そのとき出合ったのが『正しい頭の禿げ方』(金子勝昭著)という本だった。そこにあった「坊主頭指南」に沿って、まずバリカンで1センチに、やがて5ミリに刈り込み、ひと夏かけて頭皮を日焼けさせた。こうすればいきなり青剃り坊主にならずにすむし、頭皮が鍛えられるという。

「実際剃ってみたら、僕のことを知っている人はびっくりしていましたが、知らない人からは何も言われない。なんだ、悩んで損したと思いました」

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