佐藤 お母さんたちは逆なんですよね。不安になってあれも、これもといろいろ手を広げてしまう。子どもは結局それをこなせない、それに対して叱る、となってしまったら負のスパイラルです。

安浪 とはいえ、親御さんたちも“受験親1年生”の場合、「手を広げすぎるな、絞り込め」と言われてもピンとこないかも……。

■授業→宿題→テストをいかに回していくか

佐藤 まずは日々の授業をしっかり聞いてインプットする。そして宿題でアウトプットし、復習テストで知識の定着をはかる。この3つをうまく回していくことを第一に考えるべきでしょう。

安浪 同感です。「授業→宿題→テスト」、この三角形の流れをうまく作っていける子は伸びていく。これはすべての受験に当てはまることですね。

佐藤 ただこれを小学生ひとりで回せる子はほぼいないと思います。結局、私がやっていたことは、勉強を教えることではなく、この三角形を回すサポートをすること、ですね。

安浪 私は算数の家庭教師ですから、この「授業」部分のサポートがメインの仕事です。つまり、お子さんが塾の授業で理解できない部分を補強してあげることになりますが、ここは専門スキルが必要です。佐藤さんはこの部分は手を出されていなかったんですよね。

佐藤 親にとって算数のサポートはいちばん難しいですね。うちは浜学園の先生に頼っていました。あとは次男、三男、長女はみな算数が得意だった長男に教えてもらっていましたね(笑)。私がやったことは、算数のテキストをコピーして一問一問、問題をノートに貼ってあげたりしていました。

安浪 子どもが問題を解きやすいよう、「前仕事」をされていた、ということですね。

佐藤 そうです、そうです。まさに「前仕事」。切って貼って切って貼って……。それを4 人分やったので、コピー用紙やノートの消費量は膨大です。あと、宿題ノートにあらかじめナンバリングなどもしていましたね。

安浪 理科や社会はどのようにサポートされていましたか?

佐藤 理科や社会、国語の知識系問題は間違った問題をまとめた「必殺ノート」を作っていました。算数が「前仕事」ならこちらは「後仕事」ですね。

安浪 なるほど。直接教えるのではなく、「前仕事」と「後仕事」を徹底してやる。これは読者の方にも参考になりますね。

◎佐藤亮子さん/大分県で高校まで過ごし、大学卒業後、高校の英語教師として2年間教壇に立つ。以降は専業主婦。子育て法や受験テクニックに注目が集まる

◎安浪京子さん/アートオブエデュケーション代表取締役。関西と関東で塾講師を経験後、プロ家庭教師として約20年算数を教える。メンタルサポートも人気

※『親がやるべき受験サポート』(朝日新聞出版)から抜粋

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