中学受験を考えるご家庭では親がどこまでサポートするべきか悩みどころ。子ども4人が東大理IIIに合格したことで有名な佐藤亮子さんと中学受験カウンセラーの安浪京子さんが対談し、中学受験から高校、大学受験まで役立つノウハウをまとめた書籍『親がやるべき受験サポート』から、受験のための親の心構え、やるべきことについて紹介します。
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安浪 佐藤さんといろいろお話しする中で、「受験においてここは大事」と共通するものが多かったですね。
佐藤 うちは4人とも中学受験と大学受験でしたけれど、中学受験で得た知見は大学受験でも大いに役立ちました。違いは、子どもの大きさ! 12 歳なんて今思えば本当にちっちゃかった。
安浪 4年、5年、6年生の3年間でもだいぶ変化しますし。私も同じ子を教えていてその成長にビックリすることはたびたびあります。体だけでなく成熟度合いもです。
佐藤 中学受験のときは子どもがまだ幼いので、何かと親が横についてサポートしてあげないとダメですね。大学受験のときは自分でできる割合も大きいですが、やはり未熟な子どもという点では同じなので、共通する部分は多いです。
■あれもこれもやらせてはダメ
安浪 佐藤家のように4人のお子さんが東大理IIIというすごい家でも「親のサポートが必要」と言い切られるのはすごく勇気がわきますね。そのサポートの内容ですが。きっと読者の皆さんは、佐藤さんは「あらゆる面で完璧にサポートしていた」とイメージしていると思うんです。ですが、お話を聞いていくと、ちょっと違う。やるべきことを絞り込んでそれを徹底的にやっていらっしゃる。
佐藤 それは意識していました。子どもなのでキャパに限りはあります。あれもこれもやらせてはダメだと思いました。
安浪 中学受験の場合、取り組むのが小学生だからこそ、やり過ぎると嫌になって脳がシャットダウンしてしまう事があるので要注意です。
佐藤 いろいろやらせるのではなく、どこでつまずいているのか、何がわからないのかを見極めていくことが大事ですよね。まんべんなくやらせても伸びません。それにはやはり親が横について丁寧に見てあげないと。ただ「やりなさい」と言うだけでなくね。
安浪 そこは私の指導法もまったく同じなんです。子どもひとりひとりの能力や特性に合わせて、できるだけやることを絞り込んで、基礎をいかに盤石にしていくか。