写真はイメージです(Getty Images)
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 授乳をやめるタイミングはいつが理想なのか。ママそれぞれの答えがあるといっても、女性の社会進出や妊活など最近の事情も加わり、やめどきは悩ましい。産前産後ケアセンター 東峯サライで、母乳育児や卒乳の相談にのっている助産師の中嶋彩さんに、授乳のやめどきやスムーズに卒乳するためのアドバイスをもらった。

【図で解説】あるタイミングで激減!妊娠・出産で変わる女性ホルモン

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「授乳のやめどきは人それぞれ。そもそも乳汁は出産後、赤ちゃんがおっぱいに吸いつくことによって作られる仕組みがあります。ママが授乳をストップすれば、作られなくなっていきます。母と子が一緒に卒業することが望ましいですが、ママが授乳に抵抗を感じたときは早めに卒乳しても悪いことではないんですよ」(中嶋さん、以下同)

 一般的に、母親の事情で授乳をやめるのを断乳、赤ちゃんが自分から飲まなくなるのを卒乳というが、最も多いのは母親の「仕事復帰」を機に卒乳を考えるケースだ。また、近年増えているのが「2人目の妊活」に備えての相談だ。これは不妊治療を経て高齢初産する人たちが増えていることが背景にある。

 また最近、中島さんたち助産師が気がかりなのが、授乳に生理的な嫌悪を感じつつ、葛藤しているママたちがいること。

「決して精神的に病んでいるわけではないんです。おっぱいは性感帯の一部なので、吸われることに違和感を持つ人がいたとしても不思議ではありません。もしも授乳に対してイヤな気持ちを感じてしまい、そんな自分を責めたり、後ろめたい気持ちを感じたりしながら授乳を続けているのなら、『卒乳は悪いことではないし、わが子に対して申し訳ないと、自分を責めなくてもいいんですよ』と伝えたいです」 

 まさに断乳も卒乳もケースバイケースだが、タイミングの見極めに何か目安はあるのだろうか。まずは授乳の役割から考えてみよう。

■ 心の発達も目安 ポイントは立って歩く

 授乳には、赤ちゃんが食事をとれるようになるまでの「栄養の摂取」と、スキンシップを通して「安心感を得られる」という大きくは二つの役割がある。1日3回食となり、「そろそろ、やめどき?」と思ったら、食事の量を増やしてみてもいいかもしれない。赤ちゃんの食が進むようになると、おっぱいの栄養がいらなくなり、意外とスムーズに卒乳できるケースが多いからだ。

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