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映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の人気が話題になっています。3月8日の公開から、98日間で興行収入89億円、観客動員数580万人を超えました。さらにすごいのは、6月12日と13日の2日間の数字です。前週の土日と比較して、興行収入で960.5%、観客動員数で939.8%という数字を叩き出したそうです。
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これは、物販によるブーストが非常に強いためです。12日から、入場者プレゼントとして冊子の配布をスタートしたことにより、ファンが再び劇場に訪れています。エヴァンゲリオンの人気を分析する上で、欠かせないのが、いわゆる「オタク」と呼ばれる人々の性格とのマッチングです。
そもそもアニメオタクとはどのような人々でしょうか。日本人は皆アニメが大好きです。キャラクターグッズを購入することもあります。ここまでが普通のファンです。そこからさらに、好きなキャラクターを絵に描いたりフィギュアにしたり、コスプレや読み物などの二次創作をして楽しんだり、二次創作物を購入する層が、アニメオタクとの境目です。このようにアニメオタクを定義した上で、エヴァンゲリオンがなぜオタクにウケたのかを解説します。
エヴァンゲリオンは、作品の余白が多くあります。読者や視聴者が考察する余地です。「もしかしたら〇〇かもしれない」「〇〇が原因かもしれない」「〇〇だったらどうだろうか」など、作中で描かれていない部分があるために、二次創作や解説や考察の余地が豊富にあると言えます。作品の人気において「二次創作」の要素は非常に重要です。オタク同士で議論したり、想像したり、一緒に盛り上がる要素です。ファンも作品に参加することができるのが「二次創作」です。現在はSNSの時代であり、二次創作しやすい作品はヒットしやすいです。
音楽でも、「歌ってみた」「踊ってみた」とファンが参加できる曲の方が拡散されやすく、歌いやすい・覚えやすい音程や歌詞やダンスのキャッチーな曲が増えています。アニメも同じで、オリジナルの話を考えたり描いたり、コスプレをして盛り上がれる作品は人気になります。