エヴァンゲリオンにはさらに、オタクの性格とマッチする要素があります。それは、「早口で説明を延々としたくなるようなミステリアスさ」です。オタクは、専門家と性格が似ています。興味のある物事について、徹底的に調べ、考え、分析します。作中の伏線や、描かれていない部分や、セリフの意味など、とにかくエヴァンゲリオンはオタク気質な人にとっては、研究課題として取り組みやすいストーリーです。そしてオタクは、持論を発表したがります。専門家が論文を発表するように、自分の考えや意見を人に伝えたいという気持ちがあります。アニメオタクの典型的なイメージとして、機関銃のように早口で延々と話し続ける姿がありますが、実際に作品への思い入れが強いと延々と話し続けます。そして一部のオタクは、持論をSNSで発表し、またさらに議論が広がっていき、認知や人気が伝播していきます。これらの活動が、エヴァンゲリオンを知らない層にまで届くとブームとなります。

 もちろん魅力のひとつにデザイン性の高さと世界観の強さもあります。とくに女性キャラクターの設定やデザインが秀逸であることが挙げられます。アニメオタクが、綾波レイ、アスカ、マリなどのキャラクターの誰かを「推す」という行為は、アイドルオタクが好きなアイドルを応援するのと似たような感情です。どのキャラクターが好みかという議論はファンの間では尽きません。そして彼女たちのルックスも、言動も、性格も、非常にオタクに刺さるような設定です。

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