
首位を快走している阪神だが、交流戦を終えてリーグ戦再開した1カード目の巨人戦(甲子園)で1勝2敗と負け越した。2位・巨人と6ゲーム差。まだまだ余裕はあるが、気になるデータがある。
阪神は巨人との直接対決に弱い。なんと12年から9年連続カード負け越し。昨年も開幕3連敗を喫するなど巨人戦で8勝16敗と大きく負け越し、V逸の原因となった。「伝統の一戦」で注目度も高いだけに絶対負けたくない。矢野燿大監督は今年の春季キャンプ初日に、オレンジ色のサングラスを装着。「打倒・巨人」への並々ならぬ意欲を体現した。今季の対戦成績は6勝6敗。健闘しているというべきか、他球団には軒並み大きく勝ち越しているだけに物足りなさも残るか。見方は様々だろう。
巨人は逆転優勝に自信を見せる。スポーツ紙の遊軍記者はこう語る。
「戦力を見ると阪神が強力であることは間違いない。ただ戸郷翔征と高橋優貴が阪神戦に相性が良いのが心強い。坂本勇人、丸佳浩もこれからどんどん調子を上げていくでしょう。優勝を経験している選手たちは勝負所を知っている。まだシーズンは折り返しの半分にも到達していないし、これからですよ」
相性の良さは自信の拠り所になる。戸郷は昨季阪神戦で3勝1敗、防御率2.59。今季も阪神戦初登板となった今月19日の甲子園の試合で7回2失点の快投でリーグトップタイの7勝目をマークした。高橋は今季阪神戦に3試合の先発登板で3勝0敗、防御率1.50。5月以降は6試合白星がなかったが、今月20日の阪神戦(甲子園)で5回2失点に抑えて約2カ月ぶりの勝利。7勝で戸郷に並んだ。阪神から見れば、攻略に手こずっている高橋と戸郷をどう打ち崩すかが今後の直接対決のポイントになる。
阪神が逃げ、巨人が追いかける。この展開で阪神ファンが苦い経験として脳裏をかすめるのが08年のペナントレースだ。この年は阪神が開幕から首位を快走。7月9日の時点で同率2位の巨人、中日に最大13ゲーム差をつけていた。ところが北京五輪が両球団の明暗を分ける形に。阪神は藤川球児、矢野輝弘、新井貴浩が選出され、巨人からは上原浩治、阿部慎之助、韓国代表で李承燁が選ばれたが、前半戦に打撃不振だった小笠原道大は代表から落選した。