しかし、すべての役所に足を運ぶ必要はない。戸籍謄本や住民票は、必要な書類を提出すれば郵送で送ってくれる。印鑑証明書は、マイナンバーカードを持っていればコンビニで発行できる。

 ファイナンシャルプランナー(FP)の長尾義弘さんは「手続きがたくさんある人は『法定相続情報一覧図』を使うとよい」とアドバイスする。

「法務局で一度つくってもらうと、何度でも写しを交付してもらえます。最初に、故人の一生分の戸籍謄本や相続人の戸籍謄本などを集めなければならない点は変わりありませんが、銀行や不動産といった手続きごとにたくさんの書類を集める必要がなくなる。相続税の申告や年金の手続きにも使えます」

 コロナへの対応は申請先によって分かれる。法務局の不動産の名義変更は郵送でもOKだが、運輸支局の自動車の手続きは窓口で行わなければならない。

 どちらも、手続きは慣れていないと複雑なので、不安なら司法書士や行政書士ら専門家に相談しよう。(本誌・池田正史)

週刊朝日  2021年7月2日号より抜粋

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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