Q 「御転婆(おてんば)」ってお婆さんと関係あるの?
A オランダ語の「オテンバール」の当て字

 漢字をみると、転んだお婆さんのようですが、これは単なる当て字です。オランダ語で「たしなみのない女性」「手に負えない女性」を意味する「オテンバール」が元になったとされています。また、江戸時代の公用馬を指す「御伝馬(ごてんま)」がなまったという説もあります。庶民が利用する駄賃馬よりも元気がよく、元気な若い女性のたとえに用いたと考えられています。

Q 「反りが合わない」の「反り」って何?
A 刀の反りのこと

 友人や知人、同僚などと、意見の食い違いが多い時に「反りが合わない」と言ったりします。この「反り」は日本刀のゆるやかなカーブのことで、刀と鞘(さや)の「反り」が合っていないときちんと収まらないことから生まれた言葉です。

Q 「風呂敷」と「風呂」は関係あるの?
A その名の通り、風呂に敷いた敷物のこと

 江戸時代の中頃まで、風呂は今のサウナのような蒸し風呂が主流で、風呂の中では敷物に座っており、これが風呂敷の起源といいます。また、江戸中期以降に銭湯で使われたのが起源とする説もあります。脱いだ服を包み、風呂からあがったあとは休憩するための敷物として風呂敷が流行したといわれています。

Q 醍醐味ってどんな味?
A チーズのようなもの

 仏教では牛や羊の乳を精製する段階を五つに分け、五味と呼びます。最初が乳(にゅう)で、酪(らく)、生酥(しょうそ)、熟酥(じゅくそ)と続き、最後の醍醐(だいご)が最も美味とされ、「深いあじわい」や「本当のおもしろさ」を「醍醐味」というようになりました。牛乳の精製過程を考えると醍醐はチーズのようなものだと考えられていますが、仏教の教えをたとえたもので、存在しないとする説もあります。

Q 危険を感じた時に言う「くわばら、くわばら」とは何?
A 「桑原」という地名のこと

 危険を感じた時に「くわばら、くわばら」と言いますが、本来は雷よけのまじないです。天神(雷神)として知られる菅原道真の領地に「桑原」という場所があり、そこは落雷の記録が一度もなかったことから、雷が鳴ると人々は「桑原、桑原」と唱えたといいます。また、別の桑原という場所では、雷が井戸の中に落ちたため周囲の人々が蓋をしたところ、出られなくなった雷が「桑原、桑原と言えばそこには落ちないので、助けてください」と頼んだことから、「桑原、桑原」と唱えるようになったという説もあります。

Q 「土産」を「みやげ」と読むのはなぜ?
A 税を表す「みやけ」と土地の産物が結びついた

「みやげ」という言葉は、日本の古代朝廷が徴収する税やその倉庫を指す「屯倉(みやけ)」から転じたとする説や、人に差し上げるものをよく見て選ぶ様子の「見上げ」が「みやげ」になったとする説などがあります。いずれにしても、それらは土地の産物なので「土産」の字が当てられたといわれています。

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