
レギュラーシーズンの約半分が消化した今年のプロ野球だが、コロナ禍で来日が遅れた影響によってまだ調子の上がらない外国人選手が例年以上に目立つ印象を受ける。ここまでは不振ながら後半戦に巻き返す可能性がある選手は果たしているのか。直近のプレーぶりを見ながら探ってみたいと思う。今回は投手編だ。
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セ・リーグで最下位争いに沈んでいる広島でまず期待したいのが新外国人のネバラスカスだ。来日が遅れて実戦登板は5月にずれ込み、一軍初先発となった5月30日のロッテ戦では3回を持たずに3失点で降板。翌日に即登録抹消となっている。
しかしコントロールは不安定だったものの、最速は154キロをマークするなどスピードは十分にあるところを見せたのは好材料。6月は二軍戦で2試合に先発して1勝1敗ながらいずれも試合はしっかりと作っており、ストレートはコンスタントに150キロ前後をマークしている。緻密さはないものの、長身から投げ下ろす角度のあるボールは魅力だ。森下暢仁、大瀬良大地、九里亜蓮に次ぐ先発投手に苦労しているだけに、この調子が維持できれば近いうちに再び一軍で先発を任せてみても面白いだろう。
同じ広島で調子を上げてもらわなければ困る存在なのがリリーフのフランスアだ。3月9日に右膝の手術を受けて前半戦での復帰は絶望視されていたが、6月9日の二軍戦で今季初登板を果たすと、5試合5イニングを投げて3失点(自責点は1)、8奪三振のピッチングを見せて、6月27日には一軍に合流している。リリーフ陣はルーキーの栗林良吏が抑えとして見事な活躍を見せているものの、その前を投げるセットアッパーは不安定な状態だけに、実績のあるフランスアの復帰は大きなプラスであることは間違いない。後半戦の巻き返しに向けてここから大車輪の働きに期待がかかる。
パ・リーグのリリーフで復調が待たれるのがブセニッツ(楽天)だ。昨年は抑えも任されて18セーブをマークしたが、今シーズンは3月27日の初登板で3失点と大きく崩れて翌日に即登録抹消。4月中旬には一軍に復帰して復調したように見えたものの、交流戦では不安定な投球が続いて防御率は8点台まで悪化した。6月10日には今シーズン2度目の二軍降格となっている。
ただストレートはコンスタントに150キロを超え、独特のカーブも健在でボール自体は決して悪いようには見えず、何かきっかけをつかめば復活する可能性は高い。2度目の登録抹消後は二軍でも4試合連続で無失点と徐々に安定感を取り戻しているのも好材料だ。実績と実力を考えても抑えの松井裕樹に繋ぐ役割として適任であり、優勝を狙ううえでもキーマンの1人と言えるだろう。