テレビ中継の解説席に向かう清原和博氏(c)朝日新聞社
テレビ中継の解説席に向かう清原和博氏(c)朝日新聞社
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 西武巨人でプレーした清原和博氏(53)が、10日の巨人―阪神戦(甲子園)でカンテレの解説を務めた際に起きた「ある出来事」が大きな反響を呼んだ。

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 清原氏が解説を行ったのは09年の日本シリーズ以来12年ぶり。「伝統の一戦」の解説は初めてだったが、巨人が8-1で阪神に快勝した。サプライズは試合後に起きた。三塁ベンチ前に巨人ナインが整列してスタンドに礼をした後、元木大介ヘッドコーチが解説席を指さして原辰徳監督に耳打ち。原監督は近くにいた宮本和知投手チーフコーチらとともに清原氏へ大きく手を振った。

 清原氏は驚いた表情で立ち上がり、グラウンドの3人に向かって手を振って頭を下げた。
「鳥肌が立ちましたね。なんか泣きそうですね。来て良かった。元木ヘッドコーチの演出だと思うんですけど。まさか原さんがバックネット裏に手を振ってくるとは夢にも思っていなかったので。今まで頑張ってきて本当に良かったと思います。ありがとうございます」と目を潤ませていた。

 スポーツ紙の遊軍記者もこの光景に驚きを隠さなかった。

「清原氏は巨人に在籍していた02年から2年間、原監督の第1次政権時代に選手としてプレーしているが、原監督と距離が特別近いわけではない。でも原監督は現役時代に巨人の4番、清原氏は西武の4番として、球界を引っ張っていた。輝かしい時だけでなく、打撃不振の時は叩かれたり、挫折を味わったり2人にしかわからない世界があると思います。ああやって手を振ったのは戦友、共に戦った仲間に対して、『これからも頑張れよ』と激励のメッセージだと思います」

 清原氏は16年に覚せい剤取締法違反罪で懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。昨年6月に執行猶予が終了し、半年後にYouTubeを開設。「もう一度ホームランを打ちたい」と減量に取り組んだり、親友の元横浜・佐々木主浩、昨季限りで現役引退した元・阪神の藤川球児と熱い野球談議をするなど活力を徐々に取り戻している。

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