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「西村大臣と河野大臣の危なっかしい発言が続き、世論を揺るがしている。政権は大丈夫か…」
こう不安そうに話すのは、自民党の閣僚経験者だ。
緊急事態宣言中に酒類の提供停止に応じない飲食店に対し、取引金融機関から働き掛けてもらうという「圧力」発言が大炎上し、インターネットなどで辞任を求める声が上がっている西村康稔経済再生担当相。
7月13日の記者会見で、菅義偉首相や関係閣僚が出席した打ち合わせで内閣官房が金融機関への要請について説明していたことを暴露し、波紋を呼んでいる。自身の進退を問われると、「責任を果たしていきたい」と辞任を否定した。
AERAdot.が入手した資料によると、その打ち合わせは7日夕に開かれた。出席したのは、西村氏のほか、菅首相、加藤勝信官房長官、田村憲久厚生労働相、赤羽一嘉国土交通相、和泉洋人首相補佐官や内閣官房などの事務方たち。感染状況についての説明が行われた後、「飲食店対策のための関係機関として金融機関」が明記された資料が配られ、説明がなされたという。
この打ち合わせの後、西村氏の発言は炎上し、加藤官房長官は9日に慌てて「金融機関に対する協力はお願いしない」「西村大臣に気をつけていただきたい」と方針の撤回を表明。西村氏の発言を問われた菅首相も「承知していない」「そうした趣旨での発言は絶対にしないと思う」と火消しに走った。
しかし、12日には内閣官房が8日付で各府省庁に、所管する金融機関に政府方針への協力を求めるよう依頼する文書を出していたことも発覚。内閣官房は銀行などを監督する金融庁や、政府系金融機関を所管する財務、経産両省と事前に調整していた。
だが、梶山弘志経産相は13日、「内閣官房から発出される予定との報告を、事務方から受けたわけですが、私自身強い違和感を覚えた」「了承した事実はない」と発言。麻生太郎財務相兼金融担当相も同日に会見し、外遊先で8日夕(日本時間9日)、同行していた金融庁の秘書官から報告を受けたが、「言っている意味がよく分からなかったので、そんなの放っておけと言っておいた」などと西村発言から距離をとった。官邸関係者はこう話す。