※写真はイメージです(写真/Getty Images)
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くも膜下出血データ
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くも膜下出血の急性期の治療法
くも膜下出血の急性期の治療法

 くも膜下出血は、その原因の約8割が脳動脈瘤の破裂だ。破裂すると「バットでなぐられたような」激しい頭痛や嘔吐、意識障害などが起きる。出血量が多く重症の場合、救急搬送されてもおよそ3分の1が死亡するという。頭痛はあるが意識障害はない軽症の場合も、動脈瘤の小さな破裂で出血が少量ですんでいるだけというケースもある。

【データ】くも膜下出血のかかりやすい年代は?主な症状は?

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 くも膜下出血では、脳動脈瘤の再破裂による大出血が命取りだ。大出血の前に治療できるかどうかが鍵という。武蔵野赤十字病院脳神経外科部長の玉置正史医師は次のように話す。

「とくに発症から24時間をピークに再破裂のリスクが高いです。自力で来院できるような軽症の人でも、くも膜下出血の診断がついたら、脳血管の精査をして動脈瘤が見つかれば、再破裂を防ぐため、速やかに血圧や呼吸を管理し鎮静麻酔管理下にします。それから必要な治療をおこないます」

 くも膜下出血を疑う症状がみられたら、家族や本人はその場でどんな対応をとるべきだろうか。横浜新都市脳神経外科病院院長の森本将史医師はこう説明する。

「大出血を引き起こす再破裂を防ぐには、血圧を上げないことです。救急車を呼んで病院に着くまでの間、できればからだを横に寝かせて、ベルトや衣服をゆるめます。病院からも、搬送する救急隊員には血圧を上げないために、急停止や急発進はしないで搬送してもらうようお願いしています」

 救急車が病院に到着したら、短時間で頭部の出血状況を確認できるCTで迅速に診断をつける。くも膜下出血の診断がついたら、すぐに全身麻酔をかけて鎮静化し、嘔吐などで血圧が上がらないようにするという。

■血管内治療なら高齢者でも可能

 くも膜下出血の急性期の治療には、頭を開いておこなう開頭術とカテーテルによる血管内治療の2種類がある。「開頭クリッピング術」と呼ばれる開頭術では、頭部を切開して脳動脈瘤の根っこ部分を金属のクリップで挟み、動脈瘤内に血流が入らないようにして再破裂を防ぐ。治療法として確立されており、「根治性」という意味でも確実性が高い。治療後もクリップはからだに残るが、からだに影響のないチタン製などで問題はない。

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