「近親者に既往歴があって、脳動脈瘤が二つ以上、いびつな形状の場合は破裂リスクが上がりますが、未破裂ですから、あくまでも予防です。約5ミリの場合の破裂リスクは約1%/年ほど。5ミリ未満の場合や70歳以上、体力に不安がある場合には経過観察となるのが基本です。破裂のリスクと同時に治療によるリスクを説明したうえで、最終的には本人の希望を優先します」(森本医師)

 5ミリ未満でも未破裂脳動脈瘤があることで本人の不安やストレスが強い場合や、70歳以上でも元気でアクティブな生活を送っている場合には治療をおこなうこともある。

 また、発見当初は2~3ミリだったものが経過観察中に4~5ミリに増大してきた場合や形がいびつに変化してきた場合にも注意が必要だという。

「40代以下では余命も長いですから、年に1度は動脈瘤の状態を検査しながら経過観察できるといいでしょう。治療の是非については、年齢や家庭事情、生活環境、治療リスクなども考慮して、担当医とよく相談してください」(玉置医師)

 脳動脈瘤治療については、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2021』で、全国の病院に対して独自に調査をおこない、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。ランキングの一部は特設サイト「手術数でわかるいい病院」で無料公開しているので参考にしてほしい。https://dot.asahi.com/goodhospital/

(文・石川美香子)

※週刊朝日2021年7月30日号より

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