チュニジアもメンバーの半数以上が欧州のクラブに所属している。一方、サウジアラビアは全選手が国内リーグに所属している。メッシ率いるアルゼンチンのスター軍団を破ったことはこの理論は当てはまらない。
「フランス人のルナール監督の指導の下、組織力を磨くと共にアルゼンチンを徹底的に研究していた。守備は最終ラインの位置を高く上げ、オフサイドの包囲網にかける戦術を徹底、縦に速い攻撃で少ないチャンスを生かした。あとは環境ですね。カタールは日中の気温が30度を超えるため、スタジアムに冷房機能が備え付けられていますが、『寒すぎる』とコンディションの維持に苦労している選手たちが少なくない。中東やアフリカの選手は生まれ育った環境に近いので適応できるが、欧州で普段プレーしている選手は体が重いように感じる。番狂わせを食らったチームは後半に入って運動量が落ちるケースが多い」
試合を重ねれば、コンディションも整ってくるだろう。真価が問われるのはこれからだ。日本は第3戦で決勝トーナメント進出をかけ、スペインと激突する。ドイツ戦に大金星を上げた際は、スタンドに詰めかけた現地のファンからも大歓声を受けてホームのような雰囲気に包まれた。再びジャイアントキリングを起こせるか。(今川秀悟)