直前まで紆余曲折あったが、東京五輪がとうとう開幕した。開会式ではドラゴンクエストやファイナルファンタジーのゲーム音楽が採用され、1800台以上を使ったドローンの演出などが話題にもなったが、早速、菅義偉首相や森喜朗大会組織委員会前会長の言動がSNSで話題を集めているという。
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「『電通らしい』微妙な開会式でしたね」
こう言うのはある政府関係者だ。東京では緊急事態宣言が出され、感染者が増加傾向にある中、東京五輪は無観客で開催が宣言された。式は粛々と進行したが、あまりに無難な演出にツイッター上では「チープ(安っぽい)な演出」という声が多数あがった。
東京五輪の微妙な雰囲気は、天皇陛下の開会宣言にも表れた。1964年の宣言には「祝う」という言葉が使われたが、今回は「記念する」という言葉が使われた。政府関係者はこう言う。
「『記念』にしたのは、コロナ禍での国民や世界に思いを馳せたものです。『祝う』という表現を使えば、コロナ禍での五輪開催を祝福していると捉えられかねないと宮内庁から強い要望があった。今回の五輪を象徴したシーンでしたね」
開会式で大きなトラブルは起こらなかったが、菅首相と小池百合子東京都知事が批判にさらされている。天皇陛下が開会宣言をする際、菅首相と小池知事が着席したままだったのだ。本来であれば、天皇陛下が立ち上がった際に、菅首相らも起立するはずだった。しかし、動作が遅れ、天皇陛下が話し始めたあとに、慌てて立ち上がる姿がテレビを通じて映し出されてしまった。
SNSからは<居眠りでもしていたのか>、<段取りが理解できていない>、<菅さん疲れすぎとる>など、批判やこれまでの疲労を心配する声があがった。これに対して官邸周辺者はこう言う。
「開会式の間、首相はずっと覇気がなくボーっとした様子で、『お疲れ』でした。完全にゲストとして式典に見入っていたようで、陛下の開会宣言が始まってもソッポを向いていました。横に座る小池知事が先に立ち上がり、知事からの合図で菅首相もようやく気付いたようです」