しかし、この菅首相らの失態には前段があった。大会組織委員会関係者によると、IOCのバッハ会長と、大会組織委員会の橋本聖子会長の長い演説が菅首相らに影響したというのだ。SNSでも<バッハ演説長い>、<橋本さん演説は短めでお願いします>、<有観客だったら熱中症で倒れる人がいるほど>などという声があがっていた。

「バッハ会長と橋本会長の空気を読まない長いスピーチが間延びさせてしまったのが原因の一つでしょう。橋本会長は6分半、バッハ会長は13分と、それぞれ当初予定の2倍の時間をかけて、印象に残らぬスピーチをしていた。開会式が予定時間をオーバーしてしまったのも、明らかにこの2人が戦犯で、内容的にも印象的にも良くなかったですね」(大会組織委員会関係者)

 そんな失態続きの中、ひとり気を吐いている人物がいるという。森喜朗大会組織委員会前会長だ。今年2月に女性蔑視発言で会長を辞任。しかし、18日に開催されたバッハ会長の歓迎会に参加し、東京五輪の最初の競技となった女子ソフトボールの試合も無観客にもかかわらず会場で観戦するなど、精力的に活動している。

 こうした森前会長の動きに対して「どういった立場で森氏は参加しているのか」などと疑問の声があがっていたという。

「森前会長は完全にホストを自認しています。歓迎会ではなぜか橋本会長や武藤事務総長に指示を出していました。また、『スポンサーには人数制限でなるべく出席を辞退いただいた』などと、いまだに『会長』のような言動を見せているようです。コロナ禍なので開会式の出席者の人数制限をしたところ、『社交の場だから配偶者が同席するのが本来のあり方』などと主張していたそうです」(政府関係者)

 いま大会組織委員会では森前会長を組織委員会の「名誉最高顧問」に就任してもらおうという動きも出てきている。また、23日からSNSでは「♯森喜朗さんありがとう」というハッシュタグとともに、<開催できたのは森さんのお蔭>、<森さん、お疲れ様でした>などといったツイートが多数投稿されている。

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