東京五輪の競泳は7月24日、金メダル候補を抱える日本勢にとって波乱の幕開けとなった。男子400メートル個人メドレー予選で、2019年世界選手権覇者の瀬戸大也(27)が予選落ちした。
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瀬戸は予選第4組に登場。スタートも8選手のうちで最も反応がよく、バタフライ、背泳ぎ、平泳ぎを終えた時点でトップに立った。2位に1秒71の差をつけた。だが、最後の自由形で失速し、4選手に抜かれ、4分10秒52でゴールした。全体の9位で、8選手が出場する決勝には進めなかった。
瀬戸は前回16年リオデジャネイロ五輪の同種目で銅メダル。2019年の世界選手権では同種目のほか200メートル個人メドレーも制して2冠を達成した。昨年10月に女性問題で日本水泳連盟から同年内の活動停止処分を受けたが、復帰戦となった今年2月のジャパンオープンで優勝するなど東京五輪での活躍が期待されていた。
瀬戸はレース後、こう話した。
「(決勝ラインを)読み間違えました。調子が良かった分、残念です。また全力で泳いでいる姿を応援していただいる方々に見せられていないので、残りの2種目(200メートルバタフライ、200メートル個人メドレー)でそういう姿を見せたいなと思います」
レース後の瀬戸と報道陣の主な一問一答は次のとおり。
――決勝ラインは何秒ぐらいを目指していた?
(4分)11秒ゼロぐらいでしたね。読みをめっちゃくちゃ間違えました。伸びている若手もいたので最後混戦にはなるかなと思ってましたけど、順位は何番でもいいので、明日(の決勝)でベストパフォーマンスができるように気持ちよく最後自由形も泳いでて。みんなガーッと上げていたので。自分的には「行って」って感じで。
リオ(五輪)で失敗した経験を生かせるというふうに思って予選を泳いでいたんですけど、ちょっと最後の自由形を読み間違えたというか。うーん。コマを進められなかったので。調子がよかった分すごく残念ですし。自分のいまの疲労感も、決勝に残っていたらほかの選手といいレースができて楽しかっただろうなというような疲労度というか、心地よい疲労感なので。なんかもう、すごくやっぱ、(五輪が)延期になってからもたくさんの人にサポートしていただいて、無事に迎えられた1発目でふがいないレースというか、自分の読み間違いで応援してくださった方々をがっかりさせてしまうような結果だったので、本当に申し訳ない気持ちもありますし。