東京オリンピックのラグビー競技には12カ国が参加し、4チームずつ三つのプールに分かれて総当たり戦の予選ラウンドを戦う。日本はリオ金メダルのフィジー、同銀メダルの英国、カナダと同組だ。
5年前は、フィジーと優勝を争うと見られていたニュージーランドを初戦で破る大番狂わせを演じ、2勝1敗で予選プール2位となってメダルを争える決勝ラウンドに進んだ。
負傷も疲労もないベストコンディションで臨める大会初戦で、決勝までの長い道のりを見ている優勝候補の相手を下すのは、2015年ワールドカップで南アフリカに劇的逆転勝ちを収めた「ブライトンの奇跡」と同じ構図だった。
今回も26日9時からの初戦の相手は優勝候補筆頭のフィジー。ここで再び世界を驚かせたいが、2年前のワールドカップでの好成績など日本ラグビーの著しいレベルアップは世界中が知るところだけに、相手も十分対策を練ってくるだろう。
メダルを争う決勝ラウンドに進めるのは、各予選プールの2位までと、各プール3位の3チームのうち上位の2チーム。日本にとって、予選プールラウンドを終えた後にメダルへの夢をつなぐためには、26日16時30分からの英国戦と27日9時のカナダ戦のどちらかに勝ってプール3位となり、さらに負け試合での失点をできる限り抑えて、得失点で他のプールの3位を少なくとも1チームは上回るというのが、現実的な道のりではないか。
高温多湿の夏の東京では、試合までのコンディショニングや1試合目と2試合目の間の休養の取り方が従来の大会よりも遙かに大きく試合のパフォーマンスに影響する。日本チームは試合会場の東京スタジアムから離れた選手村には入らず、近くの宿泊施設を拠点とすることで、フィールド外で地の利を生かすという。
2019年の熱狂を冷まさず、日本のラグビー人気をさらに盛り上げるためにも、5年前を上回る成績が求められている。