泳ぎの高い技術を生かして復活を遂げた池江璃花子 (c)朝日新聞社
泳ぎの高い技術を生かして復活を遂げた池江璃花子 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 東京五輪競泳初日の24日、女子400メートルリレーで日本チームの第2泳者として出場した池江璃花子(21)は「予選から日本記録と決勝進出の目標を達成できなくて悔しい。気持ちを切り替えて頑張りたい」と話した。

【写真】「居酒屋のユニホーム」と酷評された東京五輪表彰式の衣装はこちら

 池江は2019年2月に白血病と診断され、入院中に抗がん剤治療を受け、12月に退院。リハビリを続け、昨年の今ごろはレースにも復帰できていなかった。

 今年4月の日本選手権でリレーの派遣標準記録を破り、2大会連続の五輪代表を決めた。

「奇跡の復活」はさまざまに語られてきたが、「力よりも技」の泳ぎが復活を後押ししていた──。

「20年に一人出るか出ないかという天才だな、と感じます」

 国際水泳連盟の競泳委員を長く務めた東島新次さんは、そう話す。

 競泳選手の特徴を見るとき「水の抵抗をいかに減らすか」「推進力をどうつけるか」という二つの視点が必要だという。

「池江の泳ぎは抵抗を受けにくい水中姿勢が最も大きな特徴です。重い頭が無理なく水面上にふわっと浮いているようなポジションが取れる」

 手と足を伸ばしたストリームラインと呼ばれる基本姿勢に「芯があって、張りがある」。水の抵抗の少ない姿勢を保てるのは池江の大きな武器だ。

次のページ