24日にあった男子予選の鉄棒ではH難度の大技ブレットシュナイダーを成功させたものの、落下して本戦出場を逃した。
とはいえ、彼の存在が日本のチームにとっては大きな力になっている。内村は落下した自分の演技後、すぐに着替えて競技中のチームの元に戻った。隣には「内村航平2世」といわれる北園丈琉がいる。内村と同じく種目別出場の亀山耕平が高得点を出すと包み込むような優しい笑顔を見せた。
「内村選手が東京五輪に強い思い入れをもって臨んだのは間違いない。東京開催でなかったらリオで引退していたと思う」
こう話すのはスポーツライターの矢内由美子さん。チームにとっても大きな力になるという。
「内村選手は一人ひとりの選手の特徴を見抜くのが上手で、的確なアドバイスをすると評判です。今回の団体メンバー4人は全員五輪未経験。何もかも知り尽くしている彼がいることは、すごく心強いと思います」
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日本の男子団体は26日、優勝したロシア・オリンピック委員会(ROC)と0・103点差の銀メダルを獲得した。
(本誌・大崎百紀)
※週刊朝日 2021年8月6日号