そしてもう一人、東京五輪に挑戦する星野陸也にも注目だ。2016年のプロ転向以来、国内ツアーで着実に力をつけてきた星野。2018年のフジサンケイクラシックで初優勝を飾ると、今季(2020-21シーズン)はすでに3勝を挙げて一気にブレイクし、賞金王争いをリードしている。海外メジャーにも3試合に出場し、6月の全米オープンでは26位に入るなど大舞台での経験も積んできた。地の利を生かしてメダル争いに絡んでいけるか。
最後に松山、星野のライバルとなる海外勢を紹介しよう。直前になって世界ランキング1位のジョン・ラーム(スペイン)と同6位のブライソン・デシャンボー(米国)がコロナ陽性で欠場となったことは残念だが、それでも世界のトッププレーヤーが日本に集結する。
まずは、今一番勢いに乗っているコリン・モリカワ(米国)。名前の通り日系4世の24歳だ。まだプロ転向してから2年とキャリアは短いものの、プロ6戦目でツアー初優勝を成し遂げると、昨年の全米プロゴルフ選手権、そして直近の全英オープンを制し、すでにメジャータイトルを2つ持っている。間違いなく今後のゴルフ界を担っていく存在で、いずれのメジャーも初出場で優勝しており、初めての五輪でタイトルを獲得することができるだろうか。
さらにメジャー4勝を含む米ツアー19勝のローリー・マキロイ(アイルランド)や、2017年の全米プロで松山と死闘を繰り広げたジャスティン・トーマス(米国)、若手の注目株であるヴィクトル・ホヴランド(ノルウェー)らが上位を争うと予想される。
とはいえ、多くの選手にとってこの時期の日本でのプレーは未経験。暑さへの対策は必須で、さらに空模様いかんでは波乱の展開となることも考えられる。松山英樹・星野陸也が日本にゴルフ競技初のメダルをもたらすことができるのか。4年に一度の72ホールの幕が開ける。(文/藤里純)