タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。
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カタールで開催中のサッカーW杯。日本が初戦でドイツを破った翌日の英BBCニュースには、試合終了後にスタジアムのゴミを片付ける人たちの写真が載りました。鉢巻きを巻き、青いユニフォームを着たアジア系の男性で、日本チームのファンのようです。記事ではこうした日本のファンたちの振る舞いを称賛し、前回のロシア大会でも見られた姿だと紹介。「掃除は日本人の生き方の矜持を示す行為。スタジアムの後片付けは、小学校での教室掃除など、基礎的な振る舞い方の教育の延長上にあるものだ」(スコット・ノース大阪大学大学院教授)という専門家のコメントも掲載。コメント欄には「尊敬する」「見習うべき」などの賛辞が多く寄せられています。
確かに、子どもたちが教室を掃除するという習慣は他の国ではあまり馴染みがないでしょう。こうした形で日本の評判がよくなるのは良いことですよね。