「世論調査やネット調査に実績のある、りらいあコミュニケーションズやマクロミルが取り上げられることも多い。地方選だと、国政選挙よりも当選祝い用の日本酒が売れると聞いたこともあります。その意味で、宝酒造などは統一地方選の関連銘柄の一つと言っていいかもしれません」(和島さん)
5月には、岸田文雄首相の地元・広島で主要国首脳会議(サミット)が予定されている。開催地には国内外から人が集まり、観光地としても改めて注目される。今夏に開催地が発表された後、会議でテーマになりそうな「脱炭素」関連や、地元企業などが取り上げられたが、日程が近づくにつれて物色先が広がる可能性もある。
映画会社にとって、大型作品がヒットするかどうかは業績を左右する。東映は3月に「シン・仮面ライダー」、東宝は11月に劇場版「ゴジラ」の新作公開をそれぞれ控える。いずれも長く親しまれてきたシリーズで、注目度は高い。
モノやサービスの値上がりは、年を越しても続きそうだ。前出の藤本さんは、インフレに強い会社かどうかを見分ける一つが、値上げに踏み切るタイミングだと指摘する。
「いち早く値上げできる会社は、その市場で高いシェアを占め、価格決定力のあるところが多い。コスト高を価格に転嫁しやすいことが理由です。さらに値上げによって収益力を高めることができている可能性もあります」
その意味で参考にしたいのが総務省が発表する消費者物価指数だ。10月分で値上がりが大きかった品目は、都市ガス代(前年同月比26.8%)、ハンバーガー(同17.9%)、携帯電話機(同16.5%)などだった。
裏を返せば、こうした業種の会社はそれだけ値上げできる余地があると捉えることもできる。その業種の代表企業や有力会社はインフレ下では「買い」かもしれない。
今回紹介したテーマやイベント、関連銘柄はほんの一部だ。半歩先を見て、自分なりのお宝銘柄を発掘してみよう。(本誌・池田正史)
※週刊朝日 2022年12月9日号