男子3000メートル障害で7位入賞した三浦龍司=2021年8月2日、国立競技場 (c)朝日新聞社
男子3000メートル障害で7位入賞した三浦龍司=2021年8月2日、国立競技場 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 東京オリンピック(五輪)第11日となる8月2日、陸上男子3000メートル障害決勝で、順天堂大の三浦龍司(19)が8分16秒90で7位入賞を果たした。五輪で日本勢が個人トラック種目で入賞したのは、2000年シドニー大会の1万メートルで7位になった高岡寿成以来21年ぶり。今大会では、体操の橋本大輝(19)やスケートボードの西矢椛(13)が金メダルを獲得するなど10代の活躍が目立つが、陸上界にも新星が現れた。

【写真】まるで居酒屋のユニホーム?東京五輪表彰式衣装はこちら

 だが、レース後の三浦は悔しさをにじませた。最後の勝負どころで、世界レベルのスピードについていけなかった。

「まだまだ自分の実力不足のところだった」

 悔いが残るのも当然だろう。1日の予選では、自身が持つ日本記録を約6秒更新する8分9秒92で快走。全体2位で予選通過した。メダルの期待が高まるなかで迎えた決勝レースの優勝タイムは、S・エル・バッカリ(モロッコ)の8分8秒90。2位のラメチャ・ギルマ(エチオピア)が8分10秒38だったことを考えても、予選に近い記録が出ていれば、メダルの可能性は十分あった。

 レース序盤は積極的に前に出て、トップを走る場面もあった。だが、世界の壁は厚く、次々と追い越された。「最初の1000メートルを落ち着いていければ、もう少し(結果は)変わったかなと思う」と三浦は反省点を分析。一方で、世界のトップレベル選手と互角に競うためにはさらなるスピードアップの必要性が必要と感じた。次の目標は、自身の記録をさらに約5秒短縮することだ。「(8分5秒を切らないと)レースには勝つことができないと感じた。選手としての走力を上げていきたい」と話す。

 3000メートル障害は通称「サンショー」と呼ばれる。三浦が五輪という大舞台で決勝に進出したことでテレビでも生中継され、初めて競技を見た人も多かったはずだ。

 ただ、三浦の才能はサンショーだけにとどまらない。昨年10月の箱根駅伝予選会でハーフマラソンを走ると、大学1年生でありながら日本人トップの5位でフィニッシュ。記録は1時間1分41秒で、今大会マラソン代表の大迫傑が持つ20歳以下の日本記録を6秒更新した。三浦は「大迫超え」をしたランナーとして、将来はマラソンでの活躍も期待される選手なのだ。

次のページ
三浦が目指すもう一つの目標