放送作家でコラムニストの山田美保子氏が楽屋の流行(はや)りモノを紹介する。今回は「スブリーム オードゥ ローズ」(アルガニエ・ジャパン)を取り上げる。
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積極的にリモートを取り入れてきたテレビ局だが、五輪中継が始まってから人の出入りが少し多くなった印象だ。
番組や部署によっては、久々に顔を合わせるというスタッフや出演者も。女性の場合は、100%と言っていいほど、コロナ禍の美容情報交換会となる。
まずは美容院やネイルサロン、まつエクサロンなどに行っているか否か。個人差はあるものの「1年以上、自分でやっている」という人がけっこう多いのには驚かされた。手の洗い方、うがいの仕方などについても、局や取材先などの洗面台に並んで行うと、やり方が異なり、各自、どれほどベストを尽くしてきたのかがわかる。
手肌の荒れや耳の後ろのカサカサなど、人によってさまざま悩みがあるものだが、唯一、共通していたのがマスクの鬱陶しさについてだった。
タレントは出演時にはマスクを外せるが、スタッフは無理。出役(でやく)であってもリポーターや外回りのアナウンサーらは、ずっとマスクだ。そんな折、某局の女性アナウンサーから流行りモノを聞いた。「スブリーム オードゥ ローズ」。上質なダマスクローズから抽出した芳香蒸留化粧水だ。
ダマスクローズは、主にモロッコ、ブルガリア、トルコで栽培されていて、香水の成分として使用される希少で高価なモノ。
4月下旬から5月上旬の約2週間しか収穫することができず、しかも、「スブリーム~」は、丁寧かつ手間を惜しまない方法で抽出。
通常のローズウォーターよりも香りはもちろん、多くの天然成分が含まれるからこの価格。1リットル精製するのに開花して間もない新鮮なダマスクローズが約400本必要と聞けば納得だ。
マスクと、どう関係するのかというと、こちら、化粧水や、クレンジングの拭き取り用だけではないのである。たとえばコットンに適量取って、目のまわりにローションパックをすれば“リモート疲れ”を癒やしてくれる。
さらに、スプレーボトルに入れ替えて持ち歩けば、マスクの内側にスプレーすることで、マスク内の抗菌作用が期待できるだけでなく、極上の香りが気持ちをリラックスさせてくれるというのだ。
「今夏、私はこれ一本勝負」とは某女性アナの弁。抗炎症作用もあり、男性のシェービング後にもオススメだ。
山田美保子(やまだ・みほこ)/1957年生まれ。放送作家。コラムニスト。「踊る!さんま御殿!!」などテレビ番組の構成や雑誌の連載多数。TBS系「サンデー・ジャポン」などのコメンテーターやマーケティングアドバイザーも務める
※週刊朝日 2021年8月13日号