これと似たケースが、2006年にCDデビューした6人組・KAT-TUNだ。デビュー前に東京ドームでコンサートを行うなど、先輩グループの嵐やNEWSをさしおいて、ポストSMAPと呼ばれるほどの勢いを示していた。デビュー曲「Real Face」はミリオンを達成。亀梨和也にとっては前年「修二と彰」として出した「青春アミーゴ」に続き、年間1位シングルV2となった。

 が、このグループのピークは短かった。同年、赤西仁が留学を理由に一時休業するなど、足並みが乱れ、その後、赤西を含めた3人が脱退。失速を余儀なくされる。

 その点、キンキは「硝子の少年」のあとも、勢いを維持。2年後の「フラワー」まで計4作のミリオンシングルを達成し、今年のデビュー記念日にリリースされた「アン/ペア」まで、シングル全43作が1位という空前絶後の記録を継続している。

 途中、剛の病気休養などはあったが、コンビ別れをすることもなく、入所から数えれば30年にもわたる安定した活動ぶりだ。解散や活動休止、メンバー脱退といったことに悩まされがちな他のジャニーズグループのファンから見れば、キンキのファンはうらやましい限りだろう。

 しかし、懸念がないわけではない。最近のジャニーズでは、ベテランや中堅どころの離脱が目立つからだ。

 近藤真彦に少年隊、SMAP、TOKIO、V6。事務所に残っているメンバーもいるものの、一世を風靡した功労者たちの多くが去っていった。そこにはやはり、ここ数年のお家騒動や若返り路線というものが関係しているのだろう。

 2015年、SMAPを育てた飯島三智マネージャーと、事務所上層部との対立が表面化。創業者・ジャニー喜多川の姉で、経営面でのトップであるメリー喜多川とその娘・藤島ジュリー景子は締め付けを図ったが、ファンの反発を招いた。その後、飯島が元SMAPの3人で立ち上げた「新しい地図」がそれなりの健在ぶりを見せたことなどにより、事務所上層部の求心力低下が取り沙汰されるようになる。

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滝沢副社長が一目置く存在