後藤希友投手の金メダルをかじる河村市長(c)朝日新聞社 
後藤希友投手の金メダルをかじる河村市長(c)朝日新聞社 

 東京五輪で金メダルを獲得した女子ソフトボール日本代表・後藤希友が出身地である名古屋市役所を4日に表敬訪問した際、「事件」が起きた。後藤に金メダルを首に掛けてもらった河村市長が手に取って「重たいな」とつぶやくと、突然マスクを外して金メダルに噛みついた。後藤は苦笑いを浮かべたが、非常識で済まされない行動だ。

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 SNS上では河村市長の愚挙に批判の声が殺到し、アスリートからも怒りの声が。東京五輪柔道男子60キロ級で金メダルを獲得した高藤直寿は自身のツイッターに「動画見たけど、『カンッ』て歯が当たる音なってるし。自分の金メダルでも傷つかないように優しく扱ってるのに、怒らない後藤選手の心の広さ凄すごすぎ。俺だったら泣く」と投稿。フェンシング元日本代表の太田雄貴さんもツイッターで、「ごめんなさい。これは流石に。。現場の空気や、お二人の関係値は分かりませんが。選手に対するリスペクトが欠けている上に、感染対策の観点からもセレモニーさえも自分自身やチームメイトでメダルをかけたりしたのに、『噛む』とは。ごめんなさい僕には理解できません」と綴った。

 だが、これでは終わらない。河村市長の「謝罪コメント」が火に油を注いだ。報道によると、「(メダルをかむ行為は)最大の愛情表現だった。迷惑をかけているのであれば、ごめんなさい」とコメント。当人はそのつもりはないかもしれないが、反省の意が全く伝わってこない。作家の乙武洋匡氏は「『主役は自分だ』という自己愛。そんな自分への『最大の愛情表現』」と皮肉を交えて指摘し、元プロサッカー選手の武岡優斗さんも「愛情表現とは?????見苦しい言い訳過ぎて…迷惑どうのこうの問題じゃない。そもそも論。リスペクトのなさが最大に行動や言動に出てますね」と批判した。

 河村市長のツイッターは苦情や怒りのコメントが止まらない状況になっている。「噛むってことは唾液が着くんだよね?唾液って体液ですよね?相手の所有物に体液を付けたって事?器物破損罪とかにならんの?絶対にこの市長許せないんだが…(原文ママ)」、「これが本気なら辞任するべきですよ。あなたは名古屋市民の為に存在しているんです。金メダルを勝ち獲った名古屋市民に感謝が必要で、あなたの愛情は必要ないんです(原文ママ)」などのコメントが。

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