なぜ今回、日テレは櫻井をキャスティングできなかったのか。その背景をスポーツ紙の芸能デスクはこう解説する。
「もともと、『嵐』は2019年の時点でNHK五輪放送の“スペシャルナビゲーター”への就任が発表されていました。グループ活動休止前の“花道”的な意味合いもあったようです。NHKは『嵐』の活動休止前まで『NHK紅白歌合戦』に連続出場させたり、メンバーを白組司会に起用したりと、局を挙げて関係性を強化させていました。しかし、東京五輪が1年延期となり、五輪開催が『嵐』の解散後になったことから状況が変わりました。NHKの“スペシャルナビゲーター”起用も白紙になりかけたことで、日テレサイドも櫻井起用に動き始めたとの情報もありましたが、結局はNHKが櫻井と相葉の2人に絞ってキャスター起用することでまとめ上げた。これで日テレの櫻井起用は断たれたと言われています」
その櫻井不在の日テレは“キャプテン”として明石家さんま、“スペシャルサポーター”として「くりぃむしちゅー」の上田晋也、“スペシャルキャスター”として元NHKの有働由美子アナ、“アスリートキャスター”としてレスリング女子で五輪3連覇を達成した吉田沙保里さんを配して臨んだ。だが、すべてが奏功したとは言い難いところもある。前出のスポーツ紙デスクはこう語る。
「開催してすぐにコロナ感染が発覚した上田さんがリタイア。さんまさんも『女性自身』が行った『オリンピック中継や番組で伝えるのが下手なのは誰?』というアンケートで1位になってしまうなど、お世辞にも視聴者ウケが良かったとは言えない結果になった。さんまさんは過去に同局でおなじみの『FIFAクラブワールドカップ』でもキャスターを務めていましたが、自身が精通しているサッカー中継の時ですら貪欲すぎるほど笑いを取りにいくスタンスなので、視聴者からは賛否両論ありました。ただ、さんまさんの芸人としてのプロ意識の高さを鑑みれば、今回の五輪中継でもそうなること事前に想像できたはずで、キャスティングの問題だと思います」