排便習慣の見直しは次のようなことがポイントになる。
▼便意が起きてからトイレに行く
▼トイレにいるのは3~5分以内。スマホや雑誌は持ち込まない
▼便秘気味、下痢気味を治す
▼浴槽につかっておしりを温める
▼立ちっぱなし、座りっぱなしはNG。1時間に1回はからだを動かして姿勢を変える
松島病院大腸肛門病センター副院長の岡本康介医師はこう話す。
「治療前と同じような排便習慣を続けていたのでは、痔核の再発や、新たな痔核の発生を促します。薬や手術だけでなく、おしりに優しい排便習慣を続けることが肝要です」
肛門科への受診をためらう人は多い。最近は女性患者には女性医師が担当したり、待合室でできるだけ他の人と顔を合わせなくて済むような動線にするなど、さらに配慮している医療機関もある。
痔核は悪性化しない良性疾患だが、下血を伴う大腸がんなどとの鑑別のためにも、あまり放置せず、症状があらわれたら、大腸肛門科、肛門外科、大腸肛門センターなどの専門科を受診しよう。
(文/別所 文)
※週刊朝日 2021年9月3日号より