ゴルファーの丸山茂樹さんが「東京五輪」について振り返る。
【写真】女子で日本勢として初のメダルとなる銀メダルに輝いた稲見萌寧
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みなさんお久しぶりです。ゴルフの日本代表監督として参加した東京オリンピックも終わり、連載を再開させていただきます!
いやあ、暑かった。会場の霞ケ関CC(埼玉)は天気も非常によくて、照り返しと蒸し暑さが重なった感じでね。選手はほんとに苦しんだと思いますね。よく戦い抜いてくれました。
男子は松山英樹(29)が4位、星野陸也(25)が38位。女子は稲見萌寧さん(22)がゴルフの日本勢として初のメダルとなる銀メダル! 畑岡奈紗さん(22)が9位でした。
僕は男子の4日間(7月29日~8月1日)、2人のラウンドについて回りました。彼らが打つ先のポイントで見てたんですけど、折り返しのところで英樹が「ちょっとフラフラしてヤバいです」なんて話しかけてきたこともありました。
彼はコロナ明けでね。オリンピックのために日本に来るまで、ほとんど練習ができなかったそうです。練習ラウンドで久々に18ホールを回ったぐらいで。
英樹の練習量はすごい。「今日は早々に帰るかな」というときでも、夕方6時ギリギリまで打ってました。マスターズチャンピオンとして注目される中、全力でみんなの期待を背負ってプレーしてメダルをという責任感の強さには、僕も感激したというか、一生懸命頑張ってくれたことに感謝しましたね。あの姿勢は素晴らしいですよ。見習うべきところがありますね。
今年のマスターズで英樹と優勝争いをしたアメリカのザンダー・シャウフェレ(27)が単独トップで最終日を迎えました。英樹は1打差の単独2位。バックナインは、パットさえ入ってればザンダーを逆転して金メダルという内容でしたね。完璧なショットを連発してました。
ポイントはボギーを打った13番(パー4)だったかなと思います。ティーショットでバンカーに入れて、セカンドもバンカー。11番、12番とバーディーできたいい流れが止まって、ザンダーにひと安心させてしまったかなと。14番(パー5)でザンダーがミスしてボギー。英樹がバーディーをとって1打差に迫ったんですけど、15番(パー4)で英樹が1メートルのパーパットを外して、また2打差になった。13番から悪い流れが来てましたね。