断っておくが、同記事は決して「大谷はヤンキースのように有名なチームでプレーすべきだ」と主張しているわけではない。

 たしかに、エンゼルスのように全米での知名度が低い球団にいることで、大谷に期待以上の注目が集まらないことについて、この記事の著者はもどかしさを募らせているようではあるが、記事は「人々はもっと大谷に注目すべき」という主張を述べているだけである。

 前述の『ザ・ジョン・ホプキンス・ニュースレター』も、「エンゼルスの最悪な成績のせいで、大谷の活躍が全国メディアから幾分か見落とされているのは残念である」と同様の意見を述べている。

 このように大谷は、エンゼルスとはまったく関係のない地域のメディアからも取り上げられる存在になっている。だが一方で、いまだに大谷のことを知らない人も現地にはまだ大勢いて、そんな状況に不満を持つ現地メディアが出てきている。

 もし、大谷が今季ベーブ・ルースを超えるような偉業を打ち立てたり、本塁打王やア・リーグMVPを獲得すれば、アメリカの田舎でもその存在が知られることとなると彼らは期待をする。だが、本当にそうなる可能性があるところが、大谷のすごさだ。大谷は今後もその活躍以外でも、我々に大きな楽しみを与えてくれるだろう。(在米ジャーナリスト・澤良憲/YOSHINORI SAWA)

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