放送作家・鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、年齢を重ねることについて。
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先日、日本テレビ「アナザースカイ」に出演させていただきました。伊勢に行かせていただいたのですが、そこで、「年を頂く」という言葉を使いました。年を取る=老化、みたいなイメージがありますが、ある芸能人の方が「年を取る」ことを「年を頂く」と」言う表現をしていたと知った。
年は取るというネガティブなものなんじゃなくて、「頂けるものなんだ」という考え方をしていたと。それがとても素晴らしいなと思い、番組内で使わせていただきました。
見た人に「あれ、誰が言ってたの?」と聞かれることが多いので、ここで書かせていただきます。「年を頂く」という言葉、所ジョージさんが言っていたようです。僕は所ジョージさんが発言していたところをメディアなどで直接見ていたわけではなく、それを千原ジュニアさんが書いていたのです。「年を頂く」という表現をする所ジョージさん。まさに、「らしい」ですよね。そしてそれを見逃さない千原ジュニアさんもさすがです。
この「年を頂く」という言葉を知ってから、年齢を重ねることに対してよりポジティブに感じることが出来るようになりました。
年を頂くからこそ、感じられることがある。僕は40歳過ぎて、ある時、急に「新緑がまぶしいな~」と思いました。その時に「これか!新緑がまぶしいという感覚は!」と感動しました。
今年、ある方の葬儀に参加して、火葬場に行った時に、火葬場の駐車場の近くで空に向かって存在していた松の木を見て、人生で初めて松の木のたくましさに惚れました。それ以来、松の木を見るたびに、その形の違いなどに「この形、格好いいね」とか思ったり。
これぞまさに「年を頂いた」からこそ感じられることなのかなと。僕は年を頂くと、自分の感情の色が増えていくのだと思っています。12色が24色になり、48色になり100色を超えていく。色が増えたからこそ、感じることも増えていく。