「河野さんは何をするのかわからん。コロナ禍で政治が混乱してはいけない、とうちの派閥は警戒感が強い。ちょっと乗りにくいよ」
こう語るのは、二階派の幹部だ。自民党の中では「脱原発路線」など、ハッキリものをいうイメージが強い河野氏だが、実際に一緒に仕事をした人に聞くと、そうではないという。
自民党で20年以上、政務調査会の調査役を務めた政治評論家の田村重信さんは、河野氏が防衛相時代に防衛、安全保障問題で一緒に汗を流した。
河野氏についてこう語る。
「何も枠がない、フリーハンドの時はバーンとアドバルーンをあげて持論を徹底して言いますよ。しかし、枠に入れば、その中でキチンとやる。今回の出馬前に麻生氏のところへマスコミに見せるように何度も相談に行っている。最初、勢いはいいが、うまく最後は収める。そういう政治家だ。河野氏には小泉進次郎環境相もつくはず。私は自民党に在籍した時、何度も幹部の遊説に随行した。今、自民党で人が一番集まるのが、小泉氏で次が河野氏、そして石破氏です。私のところにも総裁選で誰を支持したらいいかと何人もの議員から相談がありました。話を聞くと、8割が河野氏と言っていました」
かつては「脱原発路線」だった河野氏だが、会見では「安全性が確認されれば、(原発を)再稼働」と安全運転の発言だった。前出の無派閥の議員も本音をこう話す。
「誰が勝ってもすぐ選挙。河野氏は選挙用の組閣をする意向と聞いている。小泉氏など人気の高い人を要職に起用するという話もある。おそらく総裁選に出馬する岸田氏や高市氏もメンツの立つポストにつけて党がまとまる体制を組んでくれるのではないか。選挙ファーストが、若手の河野氏支持につながっています」