今回の女子チームに代表されるように、現代バスケットボールは3Pシュート全盛だ。これは世界最高峰のNBAでも同様で、今やセンターでもロングシュートを決めることが求められる。逆に言えば、ゴール下でのプレーが中心のトラディショナルなセンターには活躍の場が用意されていないと言っても過言ではなく、ロングシュートは勝つためには欠かせないオフェンスオプションとなっている。

 これは各年代のNBAの3Pシュート成功数を見れば明らかだ。米メディアの「Fadeaway World」では昨年11月に、NBAにおける10年ごとの最もロングシュートを決めたプレーヤーを紹介していたが、それによると各年代のトップ3Pシューターとその成功数、成功率は以下のようになっている。

1980年代/ラリー・バード(成功数527本・成功率38%)
1990年代/レジー・ミラー(成功数1728本・成功率40%)
2000年代/レイ・アレン(成功数2162本・成功率40%)
2010年代/ステフィン・カリー(成功数2953本・成功率43%)

 これを見れば年々、3Pシュートがいかに増えているかは明らか。NBA歴代3P成功数のランキングを見てもトップがアレンで2位がカリー。3位にミラー、9位にポール・ピアスがいるが、それ以外は現役選手がずらりと並ぶ。つまり、それだけ21世紀のバスケはロングシュートが重要ということ。ワシントン・ウィザーズの八村塁、トロント・ラプターズの渡邊雄太もロングシュートに磨きをかけているが、リーグで生き残るためには当然のことなのだ。

 通常のシュートが2点で、ロングシュートは3点獲得できるのだから、このトレンドはしばらく変わることはないだろう。となると、東京五輪の3x3男子日本代表としてプレーし、今季から名門ネブラスカ大に編入する富永啓生のNBA入りも俄然、その可能性が高くなる。

 五輪での富永は、5人制バスケの3Pシュートに当たる2Pシュートの成功率が35.7%。準々決勝までの8試合で42試合中15本を決めたが、本来の実力を発揮できたかと言えば疑問符が残る。しかし、テキサス州のレンジャー・カレッジで過ごした昨季は27試合で平均16.3得点、平均FG成功率51.0%をマーク。恐るべきは3Pシュートで193本を放ち94本の成功で成功率は48.7%だった。

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3Pシュートを得意とする富永の活躍に期待