今回の総裁選出馬に先立って作成されたポスターも、高市氏と櫻井氏の2連となっている。12月に高市の地元・奈良において二人で街頭トークを行う予定と記されている。
「櫻井氏が主張する夫婦別姓反対、女系天皇断固反対、強硬な対中政策なども含め、高市氏の公約は櫻井氏の思想にシンクロしている。河野氏が賛意を表明した同性婚に至ってはもってのほかという伝統的な家族観を重視する姿勢を共有していますね」(同前)
一方で、もう一人の女性候補、野田氏の訴えは対照的で女性目線を打ち出すような内容だった。
「日本は強い国だけではない。謙虚で誠実で国民からしっかり信頼を得られるよう、寛容で誰もがこの国に生まれてよかった、生きる価値があると思える国にしたい」
前出の高市氏陣営の国会議員がこう話す。
「高市氏が岸田氏や野田氏を支援するリベラル層から票をとるのは無理でしょう。総裁選でトップを走る河野氏から保守を強調して票をとることが得策だ。野田氏より先に出馬表明して準備もしているので、女性の支持も得られるはずです。高市氏の保守を打ち出す作戦でネットでも当たっている。安倍氏も力を入れて支援しているので、突っ走るしかない。一方で、野田氏の政策、語り口のほうが『女性目線でいい』と話す女性党員の声もありますね」
自民党の閣僚経験者はこう語る。
「立候補者が4人になったことで党員票は分散する。河野氏が党員票で圧倒的にリードして勝つというパターンはもはや厳しいと思う。1回目で過半数を誰もとれず、決選投票で河野氏か岸田氏となる可能性が大。党内の大勢は『決戦投票になったら、どっち?』という感じだな。高市氏が2位に食い込めるかは微妙です。総裁選はネットの人気だけでは決まらないからね」
29日の勝者は果たして誰になるのか?
(AERAdot.編集部 今西憲之)