両球団に許されている「リクエスト」というもののあり方も考えないといけない。連続するプレーの初動の判定が間違っていたら、その後のプレーの選択は変わるわけだから。審判は人間で間違えることだってあるし、仕方がない。ヤクルトには気の毒だが、今回のことを契機に野球界全体で議論してもらいたい。

 14日の西武日本ハム戦でもリクエストで判定が覆ることがあった。リクエスト導入から数年がたった。審判の方々は、制度導入当時と今とで、リクエストに対する考え方にどんな意見を持っているのだろう。「頼らない正確な判定を目指したい」と今でも思っているのであればいい。リプレー検証、リクエスト制度にも、足らない部分は必ずどこかにある。審判の方々も新型コロナウイルスの中、試合が中止になったりして、難しい部分はあると思う。ただ、戦っている選手同様、反省を教訓に代え、よりよいジャッジ、そして野球界全体でよりよい仕組み作りを期待したい。

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝

週刊朝日  2021年10月1日号

著者プロフィールを見る
東尾修

東尾修

東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝。

東尾修の記事一覧はこちら
暮らしとモノ班 for promotion
【フジロック独占中継も話題】Amazonプライム会員向け動画配信サービス「Prime Video」はどれくらい配信作品が充実している?最新ランキングでチェックしてみよう