推薦入試には校長の推薦によってどの高校でも出願可能な「公募制」と、大学が指定した高校だけが出願できる「指定校制」がある。「地域枠入試」も、推薦入試の形で受験者を募っているところが多い。ただし、医学部推薦入試は他の学部の入試と比べて倍率が高い。また、面接だけでなく、学力試験が課されているところが多いのが特徴だ。
「とはいえ、推薦入試の学力試験は一般入試に比べると、やさしいことがほとんどです。おそらく一般入試とはまた別の能力や適性をチェックしているのだと思います。いずれにしても、学校での勉強がきちんと身についている真面目な生徒であれば、ある程度の点が取れると思います」(同)
なお、国公立大の推薦入試では共通テストも課されることが多く、ハードルが高いが、一部では共通テストを課さない大学も出てきている。
◆Q 面接、小論文対策はどうすればいい?
面接ではコミュニケーション能力を含む医師としての資質を見られる。ただし、対策は難しい。七沢さんによれば、多くの塾あるいは高校で面接の練習をおこなうが、それで面接対応がうまくなるかと言えば、そう簡単ではない。
「面接でどのような質問を聞かれることが多いかはわかりますが、どう回答すればいい評価をされるのかはわかりません。実際、こう答えればいい、という正解はありませんからね」(同)
付け焼き刃の面接対策よりも効果的なのは、普段からさまざまな年齢や性別、職業の人と話をする機会を設け、自分の伝えたいことをきちんと言葉にできるようにしておくことだと言う。
小論文は与えられたテーマをすばやく読んで要旨を理解し、自分の考えを説得力と論理性を持って文章化する能力が求められる。これも面接と同様に対策は簡単ではない。
「塾でも小論文対策は行いますが、短期間では上達しないため、土台としてできるだけ早い時期から読書の習慣をつけることが大事です。また、作文やリポートを書く機会が多いと、小論文もスムーズに書ける。学校でこうした課題が出たらしっかり取り組みましょう」(同)