◆Q 受験科目で有利、不利はある?

 受験科目で悩むのは理科の選択だろう。共通テストでは3科目のうち2科目選択、個別学力試験でもこのパターンがほとんどだ。高校の授業では化学が必修になっていることが多く、物理か生物のいずれかを選ぶことになる。どちらが有利なのか。

 物理は数学が得意な人が選択することが多い傾向にある。生物と違って暗記要素が少なく、効率よく高得点を獲得しやすいといわれる。ただし計算が主なため、数学と同様、ちょっとしたミスが思わぬ失点を招く可能性がある。この点、生物はきちんと学んでいれば、安定した得点が期待できる。

「つまり、一長一短あるのでどちらが有利ということはありません。自分が好きな、あるいは得意なほうを選ぶべきでしょう。ただ、東京大や京都大などの難関大学では物理選択者のほうが圧倒的に多いのは事実です。また、北海道大、金沢大、群馬大など、物理が必須の大学もあるので、志望校選びの際には注意したほうがいいでしょう」(同)

 なお、医学部に入った後は生物学を専門に学ぶため、基礎知識として生物は必要だ。

「物理も一見、医学と関係がなさそうですが、基礎研究をやるためには欠かせない知識。また、全身の機能を総合的にとらえる生理学も物理の理解が必要です。選択科目にしていないものも、高校ではしっかり学んでおきましょう」(同)

七沢英文さん/医学部専門予備校YMS執行役員、校舎責任者。医学部受験指導歴は35年。YMSが発行する「Latticeーいい医者になろう!」編集長。

(文/狩生聖子)

※週刊朝日ムック「医学部に入る2022」より

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