飲食店を覆面取材し、星の数で店を格付けするミシュランガイド。そのセレクション発表記者会見にラーメンライターの井手隊長が潜入した。
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15日、東京・日本橋三井ホールにて『ミシュランガイド東京2023』の セレクション発表記者会見が行われた。『ミシュランガイド東京』はアジア初のミシュランガイドとして2007年に創刊。以来、毎年発行され、今回で15回目となる。
ミシュランの調査員が覆面調査をし、五つの評価基準をもとに合議制で評価。今年も三つ星、二つ星、一つ星、ビブグルマンほか各賞が発表された。
ミシュランガイドにおける星の位置づけは以下のとおりだ。
- 一つ星:そのカテゴリでとくにおいしい料理
- 二つ星:遠回りしても訪れる価値のあるすばらしい料理
- 三つ星:そのために旅行する価値のある卓越した料理
これ以外に、星は付かなくても、「価格以上の満足感が得られる料理」を提供する店を「ビブグルマン」として紹介している。
ラーメン部門は14年発行の『ミシュランガイド東京2015』から新設された。最新版では、一つ星が3店、ビブグルマンが18店。今回初めて掲載された店は「中華そば さわ」「入鹿TOKYO」「佐々木製麺所」「はるちゃんラーメン」の4店だった。
ラーメン部門が創設されて、今年で8年。最初の数年間は、「鶏清湯(とりちんたん)」と呼ばれる、鶏のうま味の分厚いスープに生醤油を合わせた香り高いラーメンを提供する店が多数掲載されていたが、ここ近年はそのブームも落ち着き、多様なラーメン店が掲載されるようになっている。
■地元密着の名店、都会に飛び出した新店
東武東上線の中板橋駅近くにある「中華そば さわ」は鶏、豚、乾物を使ったスープに、たまり、再仕込み、生醤油を合わせた醤油ダレを加え、存在感を残しつつも落ち着く味を提供している。店は決して広くないが、地元に根ざした名店として知られている。
六本木の「入鹿TOKYO」は鶏、豚、エビ、貝のダシをブレンドしうま味を重ねたスープに、ポルチーニ茸(だけ)と黒トリュフのペーストを合わせた「醤油ポルチーニ」のほか、他店にはない独自のスープを追い求めたラーメンを提供し、見事ビブグルマンを獲得した。入鹿TOKYOは昨年10月に六本木に移転したばかり。店主の小川和弘さんはこう意気込む。
「一号店の東久留米本店から、一気に大都会・六本木に進出し勝負をかけました。ほかの店では食べられない新しい一杯をこれからも目指していきます」